日経平均−4.90%、TOPIX−2.38%(10/15)──半導体が押し下げた指数の差

10/15に日経平均が前日比−4.90%、TOPIXが−2.38%となった日を、半導体株の下げと指数の作り方の違いから整理した記事アイキャッチ 話題銘柄

この記事の結論(要点)

2026年10月15日(木)、TOPIXの終値は3,999.34(前日比−2.38%)でした。日経平均は64,425.95円(−3,318.34円・−4.90%)と報じられています。前営業日は10月14日(水)です。

日経平均の下落率は、TOPIXの約2倍でした。株探の寄与度では、アドバンテスト1銘柄で日経平均を約1,303円押し下げています(報道ベース)。東証プライムは値上がり565・値下がり948、銘柄ごとの前日比の中央値は−0.75%で(J-Quantsで当記事が集計)、医薬品・小売業などは上げました。

背景として、日本時間14日夜の米9月消費者物価指数(CPI)を受けた追加利上げ観測、米国の半導体株安、米コアウィーブの社債の値下がりが報じられています。当記事は下げの要因を一つに特定していません。売買を勧めるものではありません。

① 何が起きたか──終値と日中を分ける(TOPIX=一次/日経平均・日中の時刻=報道ベース)

終値ベース。同じ日の下げを3つの物差しで並べます。

物差し 前日比 終値 出どころ
日経平均 −4.90%(−3,318.34円) 64,425.95円 報道ベース
TOPIX −2.38%(−97.44pt) 3,999.34 一次(J-Quants)
プライム銘柄の前日比の中央値(1銘柄1票) −0.75% − 当記事の集計(J-Quants)

東証プライム1,553銘柄では、値上がり565・値下がり948・変わらず40でした(当記事の集計。株探は値上がり564と報道)。TOPIXが終値で4,000を下回ったのは8月4日(3,961.78)以来です(J-Quants)。

日中。TOPIXは始値4,053.07(−1.07%)から安値3,977.56(−2.91%)まで下げ、日中の高値も前日の終値を下回りました(J-Quants)。日経平均は12時45分に下げ幅が3,600円を超え、日中の安値は64,092.74円(−3,651.55円)と報じられています(株探)。安値を付けた時刻は、当記事では確認できていません。終値は安値より、TOPIXで21.78pt、日経平均で333.21円上でした。

3日の流れでは、TOPIXは10/13+0.14%→10/14−0.34%→10/15−2.38%、日経平均は−1.82%→−0.05%→−4.90%(日本経済新聞。6日続落)です。キオクシアは10/15に−12.32%(12,880円)で、10/9の終値から3営業日で−26.42%です(J-Quants。分割後どうし。10/13の観測・観測ハブ)。

② 何が報じられたか──時刻の表(一次/報道ベース)

日時(日本時間) 出来事 出典の種別
10/13(米国時間)=日本時間10/13夜〜10/14朝 コアウィーブの2032年償還の社債が下げ始める 報道ベース(日本経済新聞〈10/15 5:19〉)
10/14(水)15:30 東京の取引終了。TOPIXの終値は4,096.78(−0.34%) 一次(J-Quants)
10/14(水)21:30 米9月CPIの発表。前年比・前月比は総合+3.7%・+0.6%、コア(食品・エネルギーを除く)+2.6%・+0.3% 一次(米労働統計局)
10/14 22:30〜10/15 5:00 米国の取引。コアウィーブの社債が額面1ドル当たり80セントを割り、株価は15%安(日本経済新聞〈5:19〉)。SOX(米国の半導体株の指数)は4%超の下げ(株探〈8:17〉) 報道ベース
10/15(木)9:00 東京の寄り付き。TOPIXの始値は−1.07% 一次(J-Quants)

CPIの発表と米国の取引は、どちらも東京の15日の取引開始(9:00)より前でした。日本経済新聞・株探・時事通信は、CPIが市場予想を上振れし、10月27〜28日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げの観測が強まったと報じています(総合の前年比の予想は報道により3.6〜3.7%で幅があり、上振れが目立ったのは主にコアです)。米10年債の利回りは、CPIの後に一時上がったものの前日より低く終えたと報じられています(株探)。

コアウィーブは米国のAI向けクラウド事業者です。引け後の株探〈10/15 17:48〉は、同社の社債のCDS(債務不履行に備える保証の取引)の保証料率が広がり、オラクルやソフトバンクグループなどほかのAI関連企業の社債にも波及したと書いています(波及した時点は書かれていません)。

日本経済新聞は下げの理由に、米利上げ観測、コアウィーブの社債の下落、前日の米国の半導体株安、同じ時間帯の台湾加権指数と韓国KOSPIの下落、原油高を挙げています。媒体によって重みの置き方は違います。順序が合うことは原因の証明ではありません(解釈)。台湾・韓国の株安とTSMCの7〜9月期決算(純利益は過去最高と株探が報道)は東京の取引時間中の出来事で、寄り付き前の材料とは分けて扱います。

③ 日経平均とTOPIXの差(報道ベース+J-Quantsの集計+解釈)

日経平均は、東証プライムの225銘柄の株価を「株価換算係数」で調整して合計し、「除数」で割って算出します(日本経済新聞社の算出要領)。調整後の株価が高い銘柄ほど、指数への影響が大きくなります。TOPIXは浮動株を反映した時価総額で加重する指数です(JPX総研)。

株探の寄与度では、押し下げの上位はアドバンテスト(−1,303.11円)、東京エレクトロン(−442.45円)、ソフトバンクグループ(−403.72円)です。アドバンテスト1銘柄で下げ幅の約39%、上位3銘柄で約65%にあたります(報道の値から当記事が算出)。

J-Quantsの時価総額(浮動株の調整なし)では、当記事で半導体・AI関連として選んだ9銘柄(東証の業種の区分ではありません。アドバンテスト・キオクシア・レーザーテック・東京エレクトロン・ディスコ・ソフトバンクグループ・KOKUSAI ELECTRIC・SCREEN・イビデン)が14.73兆円減りました。前日に東証プライムの時価総額の9.82%だった9銘柄が、減少額32.49兆円の45.34%を占めた計算で、9銘柄を除くとプライムは−1.46%です(当記事の集計。TOPIXとは算出方法が違います)。

同じ半導体株の下げでも、日経平均では少数の値がさ株の比重が大きく、時価総額で加重するTOPIXではそれらの比重が小さいため、指数への出方が違った、と整理できます(解釈)。1銘柄1票の中央値には、上げた医薬品・小売業の銘柄の多さも表れます。7/28は日経平均−3.95%・TOPIX−2.52%(7/28の観測)、アドバンテストが急伸した7/30は日経平均+0.71%・TOPIX−0.54%(7/30の観測。日経平均は各記事の報道ベースの値)で、例は限られ、法則とはいえません(解釈)。

日経平均の下げ幅(円)は過去3番目と報じられています(日本経済新聞・時事通信。下落率の順位ではありません)。

④ 売られた業種・買われた業種(J-Quantsの一次データから当記事が集計)

区分 業種 前日比の中央値 上昇/下落の銘柄数
下げの大きい業種 非鉄金属 −6.81% 1/19
下げの大きい業種 電気機器 −5.42% 14/108
下げの大きい業種 ガラス・土石製品 −4.12% 1/21
上げた業種 医薬品 +2.33% 28/3
上げた業種 小売業 +1.73% 112/13
上げた業種 パルプ・紙 +1.57% 9/1

東証プライムの各業種の銘柄の前日比の中央値で、東証の業種別指数とは一致しません。

売買代金の上位10銘柄(東証の内国株)は、1位のキオクシア(1兆373億円・−12.32%)、2位のアドバンテスト(9,330億円・−14.96%)、5位のレーザーテック(3,006億円・−13.56%)を含む9銘柄が下げ、上げたのは10位のファーストリテイリング(+0.74%)だけです。

医薬品(時価総額3,000億円以上)の上昇率の上位は住友ファーマ(+15.81%)、武田薬品工業(+4.99%)、大塚ホールディングス(+4.66%)で、住友ファーマには米系証券の格上げが報じられています(株探の見出し)。株探は内需・ディフェンシブへの資金シフトと書いていますが、当記事のデータで確かめられるのは業種ごとの上げ下げまでです。

⑤ 強気・弱気の両論

  • 強気の見方:TOPIXと銘柄の中央値の下げは日経平均より小さく、565銘柄が上げ、医薬品・小売業の中央値は上昇した。売りが一様に広がった日ではない。CPIは1か月分の指標で、米長期金利は前日より低く終えたと報じられている。TSMCの7〜9月期は過去最高益と報じられた。
  • 弱気の見方:CPIを受けて追加利上げ(政策金利の引き上げ)の観測が強まったと報じられた。コアウィーブの社債の値下がりはAIインフラ投資への懸念と結びつけて報じられ、TSMCの決算への日本株の反応は限られた(株探)。日経平均は少数の値がさ株の影響が大きく、値動きが大きくなりやすい。TOPIXも終値で4,000を下回った。

どちらも一つの見方であり、当記事はどちらとも断定しません。

⑥ 今後の観測点

10月27〜28日のFOMC(FRBの日程)、米国の10月のCPI(米労働統計局の予定では11月10日、日本時間22:30)、アドバンテストの7〜9月期決算(IRカレンダーでは10月28日15:30の予定)、キオクシアの7〜9月期決算(同社のIRニュースでは10月30日18:45の予定)、コアウィーブ関連の報道、NT倍率(日経平均÷TOPIX。当記事の算出で10/13 16.49→10/14 16.54→10/15 16.11)の動きです。

⑦ 免責

本記事は、公開情報をもとに、株式市場で話題となっている材料を整理することを目的としています。特定の金融商品の取得・売却・保有を推奨するものではありません。将来の株価や金融政策を断定するものでもありません。掲載内容の正確性には注意していますが、情報は更新・訂正される可能性があります。株価・各種数値は記事中に明記した時点(基準日 2026-10-15)のものです。二次情報や報道ベースには本文でその旨を明示しています。キオクシア・東京エレクトロン・イビデンの株価は、2026年10月1日付の株式分割後の水準です。投資に関する最終判断は、ご自身の責任で行ってください。

出典・基準日

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