この記事の結論(要点)
2026年10月22日(木)、TOPIXの終値は3,997.50(前日比−1.14%)で8月4日以来の低さ、日経平均は62,907.84円(−1,713.40円・−2.65%)と報じられました。前営業日は10月21日(水)です。日経平均の下落率はTOPIXの約2.3倍です(当記事の算出)。
当記事の区分では、AIを支える側(半導体・装置・材料・部品など30銘柄)は全銘柄が下げて中央値−6.07%、使う側(ソフトウェア・ITサービスの18銘柄)は全銘柄が上げて中央値+2.75%でした(J-Quantsで集計)。同じ「AI関連」の中で、支える側の下げと使う側の上げが分かれました。この日は陸運業なども上げており(③)、使う側の上げがAIに特有の動きかは当記事では判断していません(解釈)。東証プライムの中央値は−0.17%で、下げは大型株に偏っています。
報道は、日本時間22日朝に出た米ラムリサーチの決算・見通しのほか、メタの決算の受け止め、アジア株安、中東情勢、前日の上昇のあとの利益確定などを挙げました。朝方の日経平均は一時上げており、下げは取引時間中に広がって後場に大きくなりました。当記事は要因を一つに特定していません。売買を勧めるものではありません。
株価・TOPIX・業種・売買代金・時価総額はJ-Quantsの一次データ(基準日 2026-10-22)、日経平均・寄与度・時刻・海外市場は報道ベースです。
① 何が起きたか──終値と日中(TOPIX=一次/日経平均・時刻=報道ベース)
TOPIXの終値(−46.23pt)は10/15の3,999.34を下回り、8/4(3,961.78)以来の低さです。東証プライムは値上がり685・値下がり821・変わらず48、売買代金は約7.06兆円でした(J-Quantsで集計。日本経済新聞では値上がり684)。
日中のTOPIXは始値が+0.09%、値幅は高値+0.73%〜安値−1.35%で(J-Quants)、下げ幅のうち前引け(−11.51pt。日本経済新聞〈12:02〉)までに付いたのは約25%です(算出)。日経平均は寄り付き後に一時200円高(同〈9:35〉)、前引けは703.81円安、後場に一時1,400円超安(同〈14:18〉)となり、安値で引けました(同〈16:08〉)。
株探〈17:13〉の寄与度では、押し下げの上位5銘柄(アドバンテスト・東京エレクトロン・ソフトバンクグループ・イビデン・キオクシア)で約1,248円と、下げ幅の約73%にあたります(算出)。NT倍率(日経平均÷TOPIX)は15.98→15.74です(算出)。値がさ株の比重が大きい日経平均に半導体株の下げが大きく出た形で(解釈。10/15の観測)、日経平均の下げがTOPIXより小さかった10/20とは逆です。
② 何が報じられたか──時刻の表(報道ベース)
| 日時(日本時間) | 出来事 | 出典(報道ベース) |
|---|---|---|
| 10/21夜〜10/22 5:00 | 米国でSOX(米半導体株指数)+1.97%、ナスダック総合+1.05% | 株探〈7:46・9:29〉 |
| 10/22朝(米国の通常取引の終了後) | ラムリサーチが決算と10〜12月期の見通しを発表し、時間外で7%超安(通常取引の終値ではない)。メタも5時過ぎに決算を発表し、メタ株は時間外で上昇 | 日本経済新聞〈9:35・12:02〉・株探〈5:03・14:05〉 |
| 9:00〜9:35 | 一時200円高。米半導体株の時間外安とナスダック100先物安が上値を抑えたと報道 | 日本経済新聞〈9:35〉 |
| 後場 | 下げが加速。アジア株安とナスダック100先物安も重荷と報道 | 日本経済新聞〈13:03・14:18〉 |
| 15:35更新(11:48配信) | 見出し「『AIツルハシ銘柄』売り招いたメタの財務不安」(11:48時点の内容は未確認) | 日本経済新聞 |
日本経済新聞はラムリサーチの発表を「日本時間22日朝」(〈9:35・12:02〉)、「米東部時間21日夕」(〈16:08〉)と書いています。米国の通常取引の終了(日本時間5:00)の後で、9:35の記事が時間外の下げに触れていることから、東京の取引開始より前に伝わっていた材料と見られます(当記事の整理。正確な配信時刻は確認できていません)。同紙は売上高見通しを「市場予想並み」とし、「市場の期待値が高かったこともあり利益確定売り」との見方を載せました。株探〈14:05〉は、7〜9月期は市場予想をやや上回ったが見通しが「物足りない」と受け止められたと伝えています。大引けの見出しは「AI半導体に売り」(日本経済新聞〈16:08〉)です。
ほかに、前日の米株高のあとの利益確定(株探〈16:09〉)、台湾・韓国などのアジア株安とPHPの脆弱性(日本経済新聞〈16:08〉。PHPはトレンドマイクロなどの上げの材料にも=③)、中東情勢(株探〈17:13〉)も挙がり、CTA(相場の流れに沿って売買する運用者)の売りを指摘する見方もありました(株探〈17:35〉)。発表が寄り付き前という順序は、原因の証明ではありません(解釈)。当記事のデータで確かめられるのは銘柄・業種ごとの上げ下げまでで、資金がどこからどこへ動いたかは示せません。
③ 支える側と使う側──銘柄ごとの動き(J-Quantsから当記事が集計)
区分は当記事によるもので、東証の業種ではありません。東証プライムの時価総額3,000億円以上(10/22の終値の基準。SHIFTとシンプレクス・ホールディングスはこの日の上げで超えた)から主な事業で選び、事業が多岐にわたる会社と通信・メディア・ゲーム・ネット・決済は外しました。
| 区分(当記事による) | 銘柄数 | 中央値 | 主な銘柄の前日比 |
|---|---|---|---|
| 製造・検査装置 | 10 | 約−6.3% | SCREEN −8.83%・東京エレクトロン −6.99%・レーザーテック −6.34%・アドバンテスト −6.01%・ディスコ −4.37% |
| 電線・光ファイバー | 4 | 約−6.2% | 古河電気工業 −7.92%・フジクラ −6.19% |
| 材料・ウエハー | 6 | 約−5.9% | レゾナック −11.16%・信越化学工業 −1.33% |
| 基板・電子部品 | 6 | 約−5.4% | メイコー −9.79%・イビデン −9.49%・村田製作所 −4.80% |
| 半導体 | 4 | 約−5.1% | キオクシア −6.77%・ルネサスエレクトロニクス −2.70% |
| 支える側の計 | 30 | −6.07% | 参考:ソフトバンクグループ −6.86%(計に含めない) |
| ソフトウェア・ITサービス(使う側) | 18 | +2.75% | トレンドマイクロ +8.69%・SHIFT +8.57%・ベイカレント +3.76%・野村総合研究所 +3.41%・大塚商会 +3.28% |
時価総額(浮動株の調整なし)では、支える側30銘柄の減少9.25兆円がプライムの純減16.06兆円の約58%(ソフトバンクグループを含めると約69%)を占め、この31銘柄を除くとプライムの変化は−0.44%です。
東証33業種の業種別株価指数では、下落率の上位は非鉄金属・ガラス土石製品・電気機器・機械・金属製品、上昇率の上位は鉱業・保険業・サービス業・空運業・陸運業でした(株探〈17:13〉)。プライムの構成銘柄の中央値では陸運業(+1.01%)が最も上げ、情報・通信業は中央値が+0.92%でも、時価総額加重では−1.18%です。
トレンドマイクロは、PHPに深刻な脆弱性が見つかったことを受けたサイバーセキュリティ関連として(株探〈10:42〉。日本経済新聞〈6:23配信・7:34更新〉は見出しでAIが脆弱性を見つけたと報道)、SHIFTはSBI証券のアナリストが「生成AI登場によるソフトウェアテストの悲観論」の後退を見込んだとして(株探〈14:42〉)買われたと報じられました。どちらも個別の材料で、半導体株の下げと結びつけた報道ではありません。2銘柄を除いた16銘柄の中央値も+2.64%です。ベイカレント・野村総合研究所・大塚商会と、レゾナック・メイコー、区分の外のハーモニック・ドライブ・システムズ(ロボット向け減速機・−9.55%)は個別の材料を確認できていません。
④ 10/20〜10/22の流れ(TOPIX・区分=一次/日経平均・材料=報道ベース)
| 日付 | TOPIX | 日経平均(報道) | 支える側/使う側(中央値) | 報道で挙げられた主な材料 |
|---|---|---|---|---|
| 10/20 | −1.43% | −1.30% | −4.12%/+0.38% | AI投資をめぐる根強い懸念、KOSPIの下落(日本経済新聞〈15:55〉) |
| 10/21 | +0.86% | +0.85% | +1.85%/0.00% | 米スペースXの好決算で半導体・AI関連を買い戻し(株探〈16:23〉) |
| 10/22 | −1.14% | −2.65% | −6.07%/+2.75% | ラムリサーチの決算後の米半導体株の時間外安など(日本経済新聞〈12:02〉・株探〈16:09〉) |
| 3日の変化 | −1.72% | −3.09% | −8.86%/+2.85% | — |
区分の「3日の変化」は各銘柄の3日間の変化の中央値で、日ごとの中央値の積み上げではありません。10/20は先週からのコアウィーブ(AI向けクラウド事業者)をめぐる懸念も報じられ(10/20の観測)、10/22はさらに日本時間22日朝に発表された決算(②)が材料に挙がりました。同じ流れと明示した報道は確認していません。9/30の終値(J-Quantsの分割調整後の値)からの中央値は支える側−16.08%、使う側+14.80%で、差は10/22の1日で生じたものではありません。
⑤ 強気・弱気の両論
AI関連株と相場全体についての見方です。
- 強気の見方:TOPIXの下げは日経平均の半分以下で、下げは大型の半導体・部品株に偏った。ラムリサーチの7〜9月期は市場予想をやや上回り、見通しも「市場予想並み」と報じられた(②)。
- 弱気の見方:日経平均は「3カ月ぶり安値」(7月30日以来。日本経済新聞〈16:08〉)で、後場に下げが広がり安値で引けた。支える側は30銘柄すべてが下げ、3日の中央値は−8.86%。使う側の上げには個別の報道を受けた銘柄が含まれ、時価総額の増加(約0.99兆円)は支える側の減少(9.25兆円)の約1割にとどまる。ソフトウェアテストには生成AIをめぐる悲観論が広がっていたとも報じられた(株探〈14:42〉)。
どちらも一つの見方であり、当記事はどちらとも断定しません。
⑥ 今後の観測点
10月27〜28日のFOMC(FRB)、アドバンテスト(10月28日15:30予定)・キオクシア(10月30日18:45予定。観測ハブの過去の記事は分割前の株価)・東京エレクトロン(10月30日予定)の決算、米大手IT企業の設備投資の見通し、NT倍率、ソフトウェア・ITサービスの値動きです。
⑦ 免責
本記事は、公開情報をもとに、株式市場で話題となっている材料を整理することを目的としています。特定の金融商品の取得・売却・保有を推奨するものではありません。将来の株価を断定するものでもありません。掲載内容の正確性には注意していますが、情報は更新・訂正される可能性があります。株価・各種数値は記事中に明記した時点(基準日 2026-10-22)のものです。二次情報や報道ベースには本文でその旨を明示しています。キオクシア(1株を3株)・東京エレクトロン(1株を5株)・イビデン(1株を2株)・SWCC(1株を5株)の株価は、2026年10月1日付の株式分割後の水準です。投資に関する最終判断は、ご自身の責任で行ってください。
出典・基準日
- 株価・TOPIX・売買代金・銘柄数・業種・時価総額:J-Quants(終値ベース/基準日 2026-10-22)。
- 当記事の算出:中央値、時価総額の割合、下げ幅の割合、NT倍率(日経平均は報道の値)。
- 日本経済新聞:10/22の6:23配信・7:34更新・9:35・11:48配信・15:35更新・12:02・13:03・14:18・16:08、10/20の15:55の記事。
- 株探:10/22の5:03・7:46・9:29・10:42・14:05・14:42・16:09・17:13(寄与度)・17:35、10/21の16:23の記事。
- 日程:FRB・各社のIR(10/16確認)、株探の決算発表予定日の表示(10/22確認。東京エレクトロンはこの表示のみ)。
- 解釈:区分の整理、指数の差の整理、両論。


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